山田悠介「93番目のキミ」

読書感想

スマートロボット、通称スマロボの新型機種スマロボⅡが発売された。スマロボⅠも購入していた植木也太はどうしても欲しくておばあちゃんにお金を都合してもらったのだった。学生の身分では高価な代物だった。
このスマロボⅡの最大の特徴はアプリをダウンロードすると徐々に感情が芽生えてくるというものでただの二足歩行のロボットではなく限りなく人間に近づくというものだった。

 しかしスマロボⅡを改良し爆弾をセットして”道具”として使うという事件が起きて以来スマロボⅡの評判は途端に悪くなってしまう。也太のスマロボⅡはシロと名付けられとても親密な関係になっていただけにショックを受ける。そしてシロ自身も動揺するのだった。

 也太は合コンで知り合った佐竹都奈に思いを寄せるなかで弟の和毅とも仲良くなっていく。その和毅がスマロボ事件に巻き込まれて右足のひざから下を失ってしまう。
意気消沈した和毅に元気を取り戻してほしくてシロと病院にいくのだが何度も面会拒否されながらも根気よく続けた結果、心を開いてくれるのであった。

 そして和毅からシロを貸してほしいと言われてしばらく貸すことになったが、也太はシロのありがたみを一層強く感じる。そんな中、和毅とシロがいなくなったと都奈から連絡を受ける。

 いつもの山田悠介作品と違いハートフルな作品に仕上がっています。内容も二足歩行のロボットが題材で近未来に起こりうるかもしれないというシチュエーションは良かったです。エピローグでは感動的な幕引きでした。途中までは也太と都奈の恋愛模様に発展するのかと思いきや也太自身の心の成長の物語でした。
ひねりはありませんが読みやすいのでちょっと心温まるエピソードが欲しい方は読んでみてください。

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Posted by クロスパール