五十嵐貴久「リミット」

読書感想

芸人奥田雅志が担当する人気ラジオ番組に「この放送が終わったら自殺します」というメールが届く。その信憑性が高いと判断したディレクター安岡は放送するべきだというが局長含め奥田のマネージャーからも証拠がないのでむやみに騒ぎ立てることはないと言われてしまう。

そんな中始まったラジオだったが突如として奥田がそのメールについて語りだしたのだ。果たしてメールの内容は本当なのか? 本当なら自殺を止めることはできるのか?

刻一刻と時間が過ぎていく中で決断の連続が迫られる。

リミットというタイトル通り時間に迫られた小説でした。「証拠のない情報」をどう取り扱うのかが最初の焦点になっています。公共の電波にのせてあやふやなことで混乱を招いてはならない、しかし本当ならば何もしなかったとしてたたかれる、ここが最初の分岐点でした。

ディレクター安岡が奥田に静かに訴えることで公になっていきますが小説としては妥当な流れだと感じました。そしてそのメールの差出人を探し出す為に深夜3:00にラジオ局に集まってくれと放送するのですが何人かのリスナー紹介があります。しかしそれがすべて男性なんですよね。数人女性を入れても良かったんじゃないかな。あまりにも不自然に感じました。

しかし一人の命を救うために見ず知らずの人間が集まって協力するということはいいことですね。現実にもこういうことがあればいいなと思いました。

リミット (祥伝社文庫)
五十嵐 貴久
祥伝社
2013-02-08


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Posted by クロスパール