FIREムーブメントの火付け役としても一役買った書籍ですね。FIRE・セミリタイアを目指している人はほとんどの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。
最初の著者の生い立ちやマインドは特に必要ないのかなとも感じました。後半の4%ルールを破たんさせない為に現金クッションや利回りシールドという考え方が書かれているのは多くのFIRE・セミリタイア志望者には参考になると思いました。
現金クッションと利回りシールド
著者の資産運用のメインはインデックス投資です。株式60%(米国株20%・カナダ株20%・米国、カナダを除く先進国株20%)、債券40%となっていますね。
トリニティースタディの4%ルールの弱点はSRR(シークエンス・リターン・リスク)です。リターンが先に来るのかリスクが先に来るのかで結果が大きく違うというものです。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
SRR(シークエンス・リターン・リスク) に対応する為に現金クッションと利回りシールドという考え方をしたようです。現金クッションは相場の低迷期間は概ね5年間なので5年分の生活費を現金で保有しておくというものです。
これは運用資産以外にということなので年間生活費240万だとしても1200万になりかなりのお金が必要になってしまいます。そこでこのお金をできるだけ圧縮できないかと考え出されたのが利回りシールドという考え方みたいですね。
著者は運用資産をすべてETFで保有しているので分配金を考慮すれば現金保有額はもっと少なくてもいいでしょうという主張です。
利回りシールドを構成する要素として優先株・REIT・社債・高配当株を挙げています。これらを考慮した分配金利回りは3.5%と書かれています。つまり運用資産額の3.5%は年間生活費から差し引いてもいいよねっていうことです。
例えば年間生活費240万、運用資産5000万、5年分の現金クッションは次の通りです。
240万-(5000万×3.5%)×5年=325万
つまり現金クッションはは1200万も必要なく325万でまかなえますよということですね。
しかし分配金利回り、もしくは配当や利子で3.5%はちょっと高すぎると思うのです。それに日本国内の商品で完結させたい場合はさらに困難です。海外ETFも身近になってきていますが私としては国内商品で完結させることを希望しています。
この理由は資産運用がほぼわからない妻が相続するときに混乱しないようにと考えているからです。何も知らない人にいきなり米ドルとか出て来たらわからないと思うんですよね。
そこで私なりに現金クッションと利回りシールドを考えてみました。
私が考える現金クッションと利回りシールドを考慮したアセットアロケーション
先ほど利回りシールドで挙げたものの利回りは優先株(5.6%)・社債(3.5%)・REIT(5.75%)・高配当株(3.5%)となっていました。しかもこれらすべてがETFで構成できるということですからいいですよね。
しかし日本でこれらを望むのはかなり厳しいというかほぼ無理でしょう。
また現金クッションを減らすために利回りシールドという考え方がありますが要は現金を生活費5年分準備できれば問題ないわけなんですよね。身も蓋もないけど。
著者はアセットアロケーションに債券を組み入れていますが2021年9月時点での米国債の利回りは2%未満となっています。

この利回りで債券を組み込むことはあまり必要性を感じないのでリスク資産は株式のみでもいいと思うんですよね。また著者は世界中を旅しながら生活をしていて基軸通貨のドルを使用することが多いのかなと想像します。でも日本で生活する場合は円換算しなければならないので為替の影響を受けますよね。
その点を考慮すると日本で生活する分には外国債券は現状ではあまり好ましくないと考えています。他方、日本国債に投資するかと問われるとこちらもNOと言えるでしょう。
従ってこれらのことを勘案するとベターなアセットアロケーションはリスク資産として株式100%(全世界株式・先進国株式・S&P500等)、無リスク資産として現金を年間生活費の5年分というものがいいんではないでしょうか。
ただ利回りシールドという考え方は精神的に良いなと感じました。利回りは落ちるかもしれませんが日本で実現できそうなのはREIT・高配当株式でしょうか。分配金や配当金も変化はしますが株式の動き程激しくはないのである程度は計算しやすいのかもしれません。
そこで私はこんなアセットアロケーションがいいんじゃないかと思いました。
無リスク資産 | 現金 | 生活費5年分 |
リスク資産 | 先進国株式インデックス | 90% |
リスク資産 | 日本個別株式 | 10% |
理論的には先進国株式インデックス100%と現金を年間生活費の5年分で問題ないと考えていますが、趣味枠といいますか多少なりとも遊びの部分があったほうがいいのかなあと私は感じています。
ただこれは目標アセットアロケーションなので日本個別株式は良いタイミングで購入出来たらいいなという気持ちでいます。REITについても株価が下げて来たら検討余地はあると考えています。
FIRE 最強の早期リタイア術を読んだ感想
いろんなFIRE本がありますがこの本は目を通しておいた方がいいなと感じました。もしまだ読んだことがない人がいれば一度読んでみてはいかがでしょうか。
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