セミリタイアして老後は年金とインデックス投資の4%ルールで逃げ切る

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いきなりですが65歳で年間生活費240万の人が1億持っている場合は特に資産運用なんてする必要はないと思います。しかしどれぐらいの人が65歳で1億を持つことができるでしょうか?

私はおそらく無理ですし多くの人が無理な金額だと思うんですよね。たぶん多くの人は年金と資産を取り崩して何とか老後を乗り切ることになると思います。

年金額や資産額も人によってまったく違うわけですから単純な比較はできませんが私は45歳からセミリタイアという生き方をしています。

セミリタイアですから資産が有り余るほどあるわけではなく労働もしながら、時には資産を取り崩して生活しています。

私は今年50歳になりますがそろそろ年金のことも気になりだしました。年金に頼らず生活できればいいですがたぶん厳しいと考えています。セミリタイアもこれまた人それぞれなわけですが年金を頼らずに生活できる人は少ないと感じます。

そう考えた時に65歳でどのような資産割合でどのような運用をすれば逃げ切れるかを考えてみました。上を見ればきりがありませんから最低限がどのぐらいかを考えてみます。

年金受給後はリスク資産を増やそう

資産運用の教科書的な回答では年齢が上がるとともにリスク資産を減らしていこうという主張があります。人的資本が減少していることから多くのリスクを取ることは危険でありリカバリーしにくいという理由があります。

私もこの主張がどこから出てきたのかはわかりませんが金融先進国である米国から来たのではないかと想像します。

米国と日本ではいろいろと違いがありますが金融先進国である米国よりも日本の年金制度は優れていると考えています。

いろいろと言われている日本の年金制度ですが程度問題はあれ年金がなくなることはないと思っています。特に今年50歳以上の人の場合は年金受給開始年齢65歳(増減なし)は変更がないのではないでしょうか。

さて日本の場合はこの年金制度が充実しているので受給後はリスク資産(株式)を減らさずに最大限増やした方がいいと考えています。

どのぐらい増やしたらいいかというと一定の現金を残して残りすべては株式運用で問題ないと考えています。

インデックス投資の4%ルールの弱点を完全に補完

一応断っておきますがここで言うインデックス投資とは先進国株式インデックスを想定しています。

全世界株やS&P500でも問題ないと思いますが私が先進国株式インデックスを運用しているので便宜上そうさせていただきます。

リターンは毎年一定ではありませんからマイナスリターンの時は取り崩す金額を変更する、貯金からの取り崩しを多くするなどの調整は必要かもしれませんが初期5年を乗り切ればあとは多少のマイナスリターンでも問題ないと考えています。

4%ルールを調べているときに見つけたのですがこれはSRR(シークエンス・オブ・リターン・リスク)というみたいです。考えてみれば当たり前なのですがプラスリターンの時に取り崩しても元本は減らない、もしくは微減になりますがマイナスリターンの時に取り崩すと元本を大きく棄損しますよね。

つまり最初に大きな元本棄損があると挽回するのが難しくなるということです。この辺りは投資をしている人は肌感覚でわかるのではないでしょうか。

まあもっと言えばとにかくマイナスリターンの時にはリスク資産は取り崩さない方が良いということです。これを踏まえて一定の現金というのを設定すると5年分の生活費が妥当だと考えています。

リスクヘッジをどこまでするかによりますが下がり続ける相場は概ね5年程度ではないかと考えています。

上記の記事で考察していますがリーマンショックでの下げ相場は約5年でした。もっと長期間下げ続けた相場もあるようですがリスクヘッジし過ぎると準備する資金も膨大になります。

個々の判断になりますが私は5年のリスクヘッジで十分だと考えます。つまり一定の現金というのは生活費5年分ということになりますが年金を考慮すると5年分まるまる準備する必要はありません。

年金受給額を生活費の50%と仮定

年金受給額も人によって違い過ぎるので何とも言えませんが40歳ぐらいでセミリタイアしてその後ずっと国民年金だと仮定すると年間生活費の50%ぐらいがマックスではないでしょうか。

私は45歳でセミリタイアしましたが厚生年金加入期間は約14年でした。ここがもっとある人は年金額もそこそこあるのではと思います。

先ほどから年間生活費と言ってますがこちらも人それぞれですよね。ちなみに我が家の年間生活費は240万です。このブログは備忘録が主な役割なので年間生活費の数字は240万を使って逃げ切りプランを説明していきます。

具体的な数字の方がわかりやすいのでこちらを使用しますが考え方は一緒なので誰にでも当てはまる公式を最後に示します。

・年間生活費240万

・年金受給額(年間生活費50%)120万

・株式運用利回り 毎年3%

・運用資産 年間生活費のx倍

・一定の現金(年間生活費5年分)600万

一定の現金を年間生活費5年分とすると1200万になりますが年金を考慮するとこの数字になるということです。

これらのパラメーターを使ってシミュレーションしてみました。

年間生活費x倍10倍11倍12倍13倍
資産額2,4002,6402,8803,120
1年2,3522,5992,8463,094
2年2,3032,5572,8123,066
3年2,2522,5142,7763,038
4年2,1992,4692,7393,010
5年2,1452,4232,7022,980
6年2,0902,3762,6632,949
7年2,0322,3272,6232,918
8年1,9732,2772,5812,885
9年1,9122,2262,5392,852
10年1,8502,1722,4952,817
11年1,7852,1172,4502,782
12年1,7192,0612,4032,745
13年1,6502,0032,3552,708
14年1,5801,9432,3062,669
15年1,5071,8812,2552,629
16年1,4321,8182,2032,588
17年1,3551,7522,1492,545
18年1,2761,6852,0932,502
19年1,1941,6152,0362,457
20年1,1101,5441,9772,411
21年1,0241,4701,9162,363
22年9341,3941,8542,314
23年8421,3161,7902,263
24年7481,2351,7232,211
25年6501,1521,6552,157
26年5491,0671,5852,102
27年4469791,5122,045
28年3398881,4381,987
29年2297951,3611,926
30年1166991,2811,864
31年-06001,2001,800
32年-1204981,1161,734
33年-2443931,0291,666
34年-3712859401,596
35年-5021738481,524
36年-637587541,450
37年-776-606571,373
38年-920-1825561,294
39年-1,067-3074531,213
40年-1,219-4363471,129
41年-1,376-5692371,043
42年-1,537-707124955
43年-1,703-8488863
44年-1,874-993-112769
45年-2,051-1,143-235672
46年-2,232-1,297-362572
47年-2,419-1,456-493470
48年-2,612-1,620-628364
49年-2,810-1,788-767255
50年-3,014-1,962-910142

簡略化するとこうなります。

年間生活費x倍10倍11倍12倍13倍
資産額2,4002,6402,8803,120
資産寿命30年36年43年50年

65歳スタートですから年間生活費10倍の運用資産の2400万でも30年資産寿命がありますから95歳までということになりますね。人生100年時代と言われますがこれでも十分だと考えられます。

年金受給後の実際の運用法

生活費として使えるお金は次の3つになります。

・年金

・現金(貯金)

・運用資産(株式:先進国株式インデックス)

注意点は暴落時に運用資産を取り崩さないの1点です。

セミリタイア後の無リスク資産(現金)は比率でなく金額で管理します の記事では年1回リバランスすればいいと考えていたわけですが数日後に1年のスパンは長すぎるという考えになっていたようです。

その後も考えていたのですが1ヶ月ごとでいいんじゃないという結論に至りました。いろいろな考えがありますが概ね1ヶ月単位で生活費を考えることが多いと思うんですよね。

これが2ヶ月単位や3ヶ月単位でもそんなに変わらないと思うのですがなんとなく私は1ヶ月単位で管理した方が良いかなと感じました。

さて注意点として暴落時に運用資産を取り崩さないとしましたがそもそも「暴落」というのが曖昧ですよね。こちらも解釈次第なのですがこの記事では65歳時の運用資産の時価もしくは任意の資産額よりマイナスになっていれば暴落という定義として考えています。

SRR(シークエンス・オブ・リターン・リスク)のこともありますが根本的にマイナスリターンの時に資産の取り崩しはしない方がいいということは確実ですから取り崩し開始時の時価を基本として考えても差し支えないでしょう。

ここでずっとマイナスリターンが続けばどうするんだ?という声もあがるでしょうがその為に一定の現金を準備しているということですね。

・年間生活費(240万) 月20万

・年金受給額(年間生活費50%) 月10万

・一定の現金(年間生活費5年分)600万

・運用資産(年間生活費10倍)2400万

上記のような資産構成だとすると実際の運用方法はこうなります。

年金を最初に使いますから残り10万をどこから捻出するかということですね。

・運用資産が2400万以上の時

運用資産のプラスの部分使用(10万に満たない場合は足らずを現金を使用)

・運用資産が2400万以下の時

現金使用

毎月これだけで逃げ切れると考えています。勘のいい方はこれだと現金がどんどん減っていってしまうんじゃないと思うことでしょう。これについては運用がプラスの時は10万以上を取り崩せることがあると考えているので特に問題ないと考えています。

しかし2400万の運用資産で月10万を捻出しようとすると月利0.42%(年5.04%)となりちょっと厳しいかもしれませんね。

次に誰でも使える公式としてまとめて終わりたいと思います。

老後は年金とインデックス投資の4%ルールで逃げ切りのまとめ(結論だけ知りたい方はこちらのみお読みください)

年金受給額を加味した一定の現金(年間生活費5年分)を準備。

年間生活費x倍の運用資産を準備。(おすすめは12倍)

年金受給開始時の運用資産のx倍を上回っていれば運用資産を毎月取り崩す(足らない分は現金補填)、下回っていれば現金を毎月取り崩す。

年金受給額が年間生活費の50%の場合、毎年3%運用の年間生活費x倍の資産寿命は次の通り。最低10倍、おすすめは12倍、13倍は過剰ですね。

年間生活費x倍10倍11倍12倍13倍
資産寿命30年36年43年50年

インデックス投資の効率的な出口戦略はこちらをご覧ください。

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