セミリタイア後に生活費の50%を稼ぐことができるなら必要資産は15倍

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インデックス投資の出口戦略として4%ルールがあります。これは年間生活費の25倍の資産があれば4%ずつ取り崩しても30年資産がゼロにならないというものですね。

しかし年間生活費の25倍ってかなり厳しくないでしょうか?

年間生活費 200万×25倍=5000万

年間生活費 300万×25倍=7500万

5000万でも難しいと感じる方は多いんじゃないでしょうか。また多くのお金を貯めるには一般的に多くの時間を必要とします。60歳まで働いて5000万貯めることはそう難しいことだとは思いませんが30代で5000万はかなり厳しいでしょう。

そこで少し目標を下げて40代で3000万を貯めてセミリタイアするのがお金や時間のことを考えると豊かな人生を歩めるんじゃないかと考えています。

実際私はそんな形でセミリタイア生活をはじめました。

しかし40代で3000万という資産は心もとないことは間違いありません。セミリタイアということから多少の収入ありきの生き方になりますね。

そこでどれぐらい収入があればいいのかを考えてみました。

シミュレーション条件

生活費 年200万

セミリタイア後の収入 年100万

年金(66歳支給) 年100万

運用資産 3000万(年間生活費15倍)

資産運用年利 3%

セミリタイア初年度 46歳

※年金66歳支給というのは65歳になる年の1月から支給されるのかよくわからなかったので66歳としてみました

労働期間別による資産寿命

労働期間0年5年10年15年
1年目46歳2890299029902990
2年目47歳2777298029802980
3年目48歳2660296929692969
4年目49歳2540295829582958
5年目50歳2416294729472947
6年目51歳2288283529352935
7年目52歳2157272029232923
8年目53歳2022260229112911
9年目54歳1882248028982898
10年目55歳1739235428852885
11年目56歳1591222527722872
12年目57歳1439209226552858
13年目58歳1282195525352844
14年目59歳1121181324112829
15年目60歳954166822832814
16年目61歳783151821522698
17年目62歳606136320162579
18年目63歳424120418772457
19年目64歳237104017332330
20年目65歳4487115852200
21年目66歳-5479815322166
22年目67歳-15672114782131
23年目68歳-26164314232095
24年目69歳-36956213652058
25年目70歳-48047913062020
26年目71歳-59439412461981
27年目72歳-71230511831940
28年目73歳-83321511181898
29年目74歳-95812110521855
30年目75歳-1087259841811
31年目76歳-1220-759131765
32年目77歳-1356-1778401718
33年目78歳-1497-2827661670
34年目79歳-1642-3916891620
35年目80歳-1791-5026091568
36年目81歳-1945-6175281515
37年目82歳-2103-7364431461
38年目83歳-2266-8583571405
39年目84歳-2434-9842671347
40年目85歳-2607-11131751287
41年目86歳-2785-1247811226
42年目87歳-2969-1384-171162
43年目88歳-3158-1525-1171097
44年目89歳-3353-1671-2211030
45年目90歳-3553-1821-327961
46年目91歳-3760-1976-437890
47年目92歳-3973-2135-550817
48年目93歳-4192-2299-667741
49年目94歳-4418-2468-787663
50年目95歳-4650-2642-911583
51年目96歳-4890-2822-1038501
52年目97歳-5136-3006-1169416
53年目98歳-5390-3197-1304328
54年目99歳-5652-3392-1443238
55年目100歳-5922-3594-1586145
数字の単位は万円

当たり前ですが労働期間を長く取れば取るほど資産寿命は延びることになります。上記の表を簡素化してみます。

生活費15倍3%運用
労働期間0年5年10年15年
資産寿命65歳75歳86歳100歳

15年生活費の半分の収入があるなら資産寿命は100歳となるので安心できる水準だと感じます。ただセミリタイア後に15年働くというのが無理そうだなと感じる人もいるでしょう。

その場合はやはりセミリタイアまでに資産を増やしておくか年金までの時間を短くしておくしかないですね。年金までの時間を短くすることは労働時間を費やすことですから経済的メリットは多大ですが若いころの時間を失うというデメリットもあります。ここをどう考えていくかですね。

生活費16~20倍の資産寿命

同条件で生活費16~20倍をシミュレーションしてみました。

生活費16倍3%運用
労働期間0年5年10年15年
資産寿命69歳80歳94歳100歳
生活費17倍3%運用
労働期間0年5年10年15年
資産寿命73歳87歳100歳100歳
生活費18倍3%運用
労働期間0年5年10年15年
資産寿命78歳94歳100歳100歳
生活費19倍3%運用
労働期間0年5年10年15年
資産寿命85歳100歳100歳100歳
生活費20倍3%運用
労働期間0年5年10年15年
資産寿命92歳100歳100歳100歳

生活費20倍までくるとほぼ安心ですね。年間生活費200万としても4000万ですから40代ではちょっと厳しいかもしれませんね。

若い時の時間を有効活用すると考えるのなら生活費15~17倍の資産を運用して5~10年働くというのが現実的ではないかと感じます。

ここでは資産のみを可変してみましたがリターンを上げることによっても状況は大きく変わります。

生活費15倍4%運用
労働期間0年5年10年15年
資産寿命72歳90歳100歳100歳

こちらは3%から4%にリターンを変更したものです。資産寿命が一気に改善しているのがわかりますね。資産運用をしていない人はたった1%と考えるかもしれませんがたぶんそれは運用額が小さすぎてピンとこないからだと思います。

運用額が大きくなれば1%というのはとても大きな数字になりますね。

株式のリターンは概ね3~7%とされていますがシミュレーションでは3%以上の数字で行うことは好ましくないと考えています。リターンが増えることは何の問題はありませんが減少してしまうと計画が大きく崩れてしまうことになります。

年金はなくなることはないと考えていますが、いつからいくら貰えるかが不明瞭ですから年金を加味しないシミュレーションをしておいてもいいかもしれません。

年金を加味しない場合の資産寿命

生活費15倍3%運用
労働期間0年5年10年15年
資産寿命65歳69歳74歳78歳
生活費20倍3%運用
労働期間0年5年10年15年
資産寿命75歳82歳89歳96歳

年金を加味しない場合は生活費15倍は怖すぎて無理ですね。最低20倍の資産は保有しておきたいところです。

ただし4%ルールは暴落時に取り崩すと資産減少が加速しますので注意してください。対処方法はこちらの記事にかいてあります。

セミリタイア後の働き方のポイント

セミリタイアという生き方はセミ(労働等の資産以外からの収入)ありきになりますがこの部分を調整することで自分の時間を可変させることが魅力のひとつです。

セミリタイア願望のある人はフルタイムで働いているよりも自分でコントロールできる時間を増やしたいなと感じていることが多いんじゃないでしょうか。

そう考えると年100万ぐらいを稼ぐ働き方がいい塩梅になると思うんですよね。また住民税非課税世帯になることにより医療費や保険料なども恩恵を受けることができます。

セミリタイア後に働き過ぎて自分の時間がなくなったり、多くの税金や社会保障費を支払うことがないように注意しておきたいですね。

こういう話をすると税金や社会保障費を支払わないのは悪いことというかダメなことみたいなニュアンスの意見があるんですがトータルで考えるとセミリタイアしている人はより多くの税金や社会保障費を支払ってきたと考えています。

40代までがんばってきたんだからあとは自分の好きなように生きてみたいもんですよね。

コメント

  1. 匿名 より:

    何時も有益な情報ありがとうございます!
    考え方を教えていただけたら嬉しいのですが、80歳を過ぎると投資への判断力が衰えてくると考えています。私は95歳まで生きると仮定してシュミレーションしておりますが、80歳からは投資の割合を減額、85歳からはゼロとして計算しております。
    お考えを参考に聞かせていただきましたら嬉しいです。

    • 匿名さん
      記事を読んでいただきありがとうございます。

      老後に判断力が鈍ってくるのはしょうがない部分がありますよね。
      >80歳からは投資の割合を減額、85歳からはゼロとして計算
      この方針は経済的に問題がなければいいと思います。

      私の場合は投資は死ぬまで継続していく予定です。
      判断力が鈍るという懸念もありますが年金受給がはじまった段階である程度その後の経済的目処がたつと考えているので、そこから定期売却設定を利用するつもりです。
      そうすることで暴落時にろうばい売りするなどの間違った判断は防げるのではないかと考えています。

  2. 匿名 より:

    クロスパール様
    丁寧なご回答ありがとうございます!
    なかなか80歳の自分がどうなっているか想像難しくて困っていました。定期売却は良いアイデアですね。これからも役立つ情報どうぞ宜しくお願い致します。
    匿名より

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