セミリタイアのメリット・デメリット

この記事は約8分で読めます。

質問箱でこのようなものを頂いたので記事にて回答させてもらいたいと思います。

セミリタイアの定義と私の属性

セミリタイアのメリット・デメリットはそれぞれありますがそもそもセミリタイアがどう定義されているのかを確認しておかないとはじまりません。また属性(独身・夫婦のみ・子ありなど)も様々ですからここも決めておかないと話はズレてしまいます。

質問にもありますように「クロスパールさんからみた」ということなので私の状況を基準として書いていきたいと思います。

私が考えるセミリタイアの定義は「資産収入と最小限の労働で生活していく」というものです。資産収入とは株式投資ですね。私の場合は投資信託のインデックス投資と日本個別株の配当・優待がこれに当たります。

最小限の労働(一般的にはアルバイト・短期派遣・季節労働など)はセミリタイア当初は生活費の50%を最低限としていました。出来れば収支均衡が望ましいですね。この辺りは後述します。

私の属性は夫婦のみで2017年9月(45歳)に資産3000万円でセミリタイアしました。

セミリタイアまでの軌跡はこちらをご覧ください。金融資産3000万までの道1~新社会人~

これらを考慮して読んでいただけると幸いです。

セミリタイアのメリット

自由に使える時間が増える

可処分時間が増えるということですね。サラリーマンの場合は1日9時間拘束(8時間労働・休憩1時間)+通勤時間往復1時間とすると10時間を拘束されていることになります。ここから睡眠8時間をプラスすると18時間となり1日24時間の可処分時間は6時間しかありません。

土日祝休みだとしても仕事の疲れを癒す時間や翌週の仕事の準備などが頭にあるでしょうから平均可処分時間はそれほど増えないと考えています。時間が増えたとしても数字上なので実感としてはほとんどないのではないでしょうか。

これがセミリタイアすることで大幅に増えます。

可処分時間が増えた生活はこのようになっています。人生の幸福度を上げるアセットアロケーションの作り方

適度なペースで仕事ができる(ダウンシフト)

最小限の労働は多くの人はアルバイト・短期派遣・季節労働などになるでしょう。いわゆる雇用労働ですね。アフィリエイトや起業という選択肢もありますがかなり厳しいと感じています。私もこのようなことを考えなかったわけではありませんがいろいろとやってみた結果アルバイトが自分にとって最適だということに気付きました。

ただ適度なペースで仕事ができるといっても雇用労働ですから採用されるのか、採用されたとしても自分にとって最適な働き方なのかは実際にやってみないとわかりません。

私はセミリタイアしてから4回転職して現在はとても環境の良い職場で働いています。収入の面もありますが自分が心地よく働ける場所を見つけるのは何度もチャレンジするしかないと思います。

また40代で採用されるにはそれなりのスキルが必要になるでしょう。40代で転職を成功させるコツ

経済的余裕は精神的余裕

セミリタイアできるということは経済的に余裕があるということになります。FI(Financial Independence:経済的自立)とは違い資産以外からの収入は必要になってきますが一般的には余裕がある部類に入るでしょう。

経済的余裕があることで精神的にも余裕が生まれます。若い時はそれほど感じないかもしれませんが人的資本が減少していくであろう年齢に達すると経済的余裕があることはとても心強いです。

40代になるとどうしても老化を感じることが多くなります。もっと年齢を重ねると体の不調もでてくるかもしれませんよね。これは誰もが避けて通れない道ですから人的資本を補う上でも経済的余裕はあった方がいいですね。

精神的に余裕がないと間違った判断をしやすくなります。あせって何かを決めた時にしまったと感じたことがある人は多いでしょう。致命的なことでなければいいですが人的資本減少期にダメージ大のことが起こればリカバリーするのはかなり困難です。

自分がやりたいことに気軽にチャレンジできる

経済的余裕とも密接に関係していますが自分がやりたいことを気軽にチャレンジできるようになります。また可処分時間が増えていることも密接に関係していますね。

健康・お金・時間があればこの世界ではかなりの自由度が広がります。健康はセミリタイアに関係なく重要ですがお金と時間というものをある程度確保できている状況ですから今まではできなかったことでも気軽にできるようになります。

私は旅行・風景写真・読書・山登りという趣味の時間を増やすことができました。今年はゆるジョグに挑戦しています。とにかくうまくいってもいかなくても自分のやりたいことをできる状況というのはとても良いと感じます。

セミリタイアに必要な資産は自分の満足感や楽しさと密接に関係している

付き合う人を選べる

完全に選別できるわけではありませんが自分が絶対この人と付き合いたくないという場合は距離を置くことが簡単になります。セミリタイアの場合は主に職場になるでしょう。

生活の為に絶対にお金を稼がないといけない状況ではなかなかその場所から離れることはできません。プライベートにおいては自分から距離をおけば必然に付き合う人を選ぶことができますよね。

ただ私は程度問題はありますが自分と合わない人と多少の関りはあった方が反面教師や自分の思考が偏らないためにいいのかなと思っています。

セミリタイアのデメリット

社会的信用を失う

セミリタイアとは仕事の一線から退くわけですから社会的信用はほぼなくなります。正社員とアルバイトのどちらに社会的信用があるか考えれば一目瞭然ですよね。

特に会社の肩書で生きてきた人は要注意です。アルバイトになると単なる労働力の一人にしかなりませんから一目置かれるということはほとんどありません。

セミリタイアという生き方はまだまだ極少ですから40代50代でアルバイトをしている状況だけを見ればフリーターと変わらないわけでしょうがないですよね。

これが実家済みの場合はさらに拍車がかかるでしょう。

サラリーマンの与信を使ってお金をひっぱってくることをしたければ社会的信用は必要ですがそうでなければあまり気にしなくてもいいと考えています。

周りの声が気になり過ぎる人はセミリタイアには向いていませんね。

自制して生活しないと自堕落になる

サラリーマンの場合は良くも悪くも仕事に時間を管理されていました。朝起きたら仕事に行くということだけでも規則正しい生活になりますよね。アルバイトをするにしても可処分時間が増えているわけですからここをしっかり管理していかないとすぐに自堕落な生活になってしまいます。

何かをしないといけないわけではないですが体調を崩したり気持ちが充実しない毎日を過ごすことは避けたいですよね。

私はサラリーマン時代と同じような起床時間と就寝時間です。概ね21:00就寝、5:00起床ですね。

会社の福利厚生が少なくなる

アルバイトも雇用労働ですから最低限の福利厚生はあります。健康診断は最たるものですね。しかし正社員時代には住宅手当・家賃補助・社食・育児休業・介護休業・資格取得手当・宿泊レジャー施設の割引制度・財形貯蓄・社宅・慶弔金・通勤手当・生命保険などの団体割引などがありますがこれらの恩恵をほとんど受けることができなくなります。

私は転勤族で社宅扱いだったので住居費はゼロでした。これは資産形成に大きく寄与したと考えています。

再就職が困難

人によると言ってしまえばそれまでですが一般的に正社員のレールを降りると再度同じ待遇で働けることはないと考えています。日本の企業はまだまだ長く働く人を重宝しがちですから一度離脱した人を快く迎えてくれることは多くありません。

だからこそ低資産でのセミリタイアはおすすめしません。インデックス投資でセミリタイア(サイド・バリスタFIRE)する為に必要な資産は年間支出15倍+α

思考が偏る

会社員を辞めると極端に人付き合いが少なくなります。また自分の好む人だけと絡むことが多くなるので自分の思考と全く違うものや反対のものと出会うことが少なくなるのでどうしても思考が偏ってしまいます。

自分にとって良い方向に進めばいいですが得てして障害の無い道を突き進むのは何かあったときにとてももろいのではないかと考えています。

どこかのコミュニティーに属する、アルバイトをするなどで自分が選択できない人たちと関わることは重要だと感じています。

日々の生活費や老後のお金の心配

FIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的自立・早期リタイア)と違いセミリタイアの場合は資産収入以外からの収入を前提としています。つまり一般的には労働が必ずつきまとうということですね。

これは労働しなければ資産減少のスピードが速くなるということです。経済的余裕は精神的余裕のくだりから絶対に避けたいことですよね。

また老後のお金についても考えることがあります。日本では公的年金がありますからこれを考慮して計画を立てることがスタンダードになるでしょう。そうすると公的年金受給までの年月が長くなればなるほど必要なお金の量は増えることになります。

何でもそうですが良い面と悪い面があります、セミリタイアの場合は人生の早い段階で可処分時間を増やすことができますが経済面での不安はつきまとうことになります。

セミリタイア6年生の総括

最後になりますがセミリタイア生活を総括した記事がありますのでそちらを紹介して終わりにしたいと思います。

第一部 セミリタイア後の心情の変化

第二部 セミリタイア後の働き方

第三部 セミリタイア後の資産運用

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