セミリタイア生活というのはある程度の資産とある程度の労働等の収入により自分の時間をフルタイムで働いていたときよりも有意義に使いたいというものだと考えています。
投資という資産運用のみで生活費を賄えるのであれば問題ありませんがセミリタイアの場合はある程度の労働等の収入ありきの生き方になるでしょう。
労働等と書いていますが実質はアルバイトの労働収入を選ぶ人がほとんどだろうと思います。私も雇用労働収入を選んでいます。他の収入を模索したこともありましたが雇用労働がもっとも簡単で確実だと思ったからです。
セミリタイア当初はお金のことで心配というか、どうやって資産寿命を延ばせばいいだろうかと思案していましたがセミリタイア生活4年目に突入して一応お金のことについては考えがまとまってきました。
セミリタイア前もそうですがセミリタイア後もネットを中心とした様々な情報をみてきました。そしてある程度自分の中で安心というか納得できるお金の考え方が腹落ちしてきたのでここらでまとめることにしました。
セミリタイア後のお金の考え方
インデックス投資の取り崩しは4%ルールを適用
日本ではインデックス投資の4%ルールの取り崩しで生活している人はまだいないんじゃないかと思います。しかし米国のシミュレーションでは4%ルールはかなり有効だというデータが出ています。
米国の場合は米ドルで運用して米ドルで生活するので為替リスクがありません。しかし日本では日本円で生活しなければならないので為替リスクがあることが懸念点のひとつになります。
この為替リスクですが私的にはあまり心配はしていません。米ドル円は概ね80~120円で推移すると考えています。為替は株価と違ってどちらかに突き抜けることはなくある一定の幅で動くことが続いています。
今後もそのような動きは変わらないと考えています。もちろんそうなるとは限りませんが今までの経験から一方向に動き過ぎるということはないんじゃないかと思います。
米国の株式に投資している時に円換算して資産が減るのは円高の時ですよね。円高になれば米ドルの価値が低くなっているということですから相対的に米国の株式は上昇傾向になるんじゃないでしょうか。
そうすると株価の上昇によりある程度の為替リスクは軽減されると考えています。もっと言えば株式のリターンが為替リスクを吹き飛ばすということです。
投資にはいろんな考え方がありますが為替リスクについてはこのように考えていて私はあまり心配していません。
少し話がそれてしまいましたがインデックス投資の4%取り崩しルールは日本でもかなりの確率で有効だと判断しています。
ただひとつの注意点として取り崩し初期5年がマイナスリターンの場合は資産寿命が大幅に短くなるので注意です。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
セミリタイア後の労働の割合と資産寿命
生活費15倍 | 3%運用 | – | – | – |
労働期間 | 0年 | 5年 | 10年 | 15年 |
資産寿命 | 20年 | 24年 | 29年 | 33年 |
生活費20倍 | 3%運用 | – | – | – |
労働期間 | 0年 | 5年 | 10年 | 15年 |
資産寿命 | 30年 | 37年 | 44年 | 51年 |
上記の表は毎年年間生活費の50%を労働収入で得た時の年間生活費15倍・20倍の資産を毎年平均3%で運用した場合の資産寿命を表しています。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
アルバイトの場合は長い時間働けば働くほど収入も比例して大きくなる傾向にあります。しかし働くことに多くの時間を使ってしまってはセミリタイアした意味がなくなるかもしれません。
例えば年間生活費200万の50%の100万を稼ごうとすれば月8.3万となります。アルバイトでこの金額を稼ごうとするとかなりの時間を費やすことになります。
時給1000円なら83時間、時給800円なら104時間で1ヶ月を4週間とすると週当たり21時間、26時間となります。
セミリタイアの場合は自分にあった労働の時間を調整することが大切です。これは自分のやりたいことに使う時間の確保と資産寿命との兼ね合いになりますね。
先ほどの条件で年間生活費の25%の収入を得る場合はこんな感じになります。
生活費15倍 | 3%運用 | – | – | – |
労働期間 | 0年 | 5年 | 10年 | 15年 |
資産寿命 | 20年 | 22年 | 24年 | 26年 |
生活費20倍 | 3%運用 | – | – | – |
労働期間 | 0年 | 5年 | 10年 | 15年 |
資産寿命 | 30年 | 34年 | 36年 | 39年 |
年間生活費の20倍の資産があればまあまあいけるんじゃないというデータになっていると思います。
ただしいくつかの注意点があります。
・年間生活費とは住居費・社会保険料(年金・保険)を含む数字
・特別費(車・家電(冷蔵庫・洗濯機・掃除機・スマホ)・旅費等)は別途準備
・リスク資産以外に無リスク資産を(年間生活費-労働収入)×5年分
このような注意点をクリアすれば上記の計算式は成り立つと考えています。しかし特別費や無リスク資産を準備するとなれば資産規模もそれなりになりますね。
セミリタイア生活の年金の受け取り方
2022年4月1日より60~75歳の間で受け取ることが可能となります。60~64歳での受け取りは月単位0.4%の減額、66~75歳の受け取りは月単位0.7%の増額。
年齢 | 増減 |
60歳 | -24.0% |
61歳 | -19.2% |
62歳 | -14.4% |
63歳 | -9.6% |
64歳 | -4.8% |
65歳 | 0.0% |
66歳 | 8.4% |
67歳 | 16.8% |
68歳 | 25.2% |
69歳 | 33.6% |
70歳 | 42.0% |
71歳 | 50.4% |
72歳 | 58.8% |
73歳 | 67.2% |
74歳 | 75.6% |
75歳 | 84.0% |
年金の受け取り方については年金額や資産によってどのタイミングが良いのか判断が難しいと思います。上記の表のように繰り下げれば下げるほど受給額はアップしますが75歳になってお金をたくさんもらっても有意義に使えないということもあるでしょう。
それではどのタイミングで年金受給を開始するのがベターなのでしょうか?年金に頼らずに資産だけで生活は問題ないという場合はどの段階で受給してもいいですがセミリタイアの場合はそういうわけにはいかないでしょう。
ひとつの目安となるのが年間生活費の50%だと考えています。
年金を年間生活費の50%として資産を毎年平均3%で運用すると年間生活費x倍の資産の寿命は次のようになります。
年間生活費 | 資産寿命 |
5倍 | 12年 |
6倍 | 15年 |
7倍 | 18年 |
8倍 | 22年 |
9倍 | 26年 |
10倍 | 30年 |
65歳の時に年間生活費の10倍の資産があれば30年持ちますから悪くはないんじゃないでしょうか。
セミリタイア後のお金の考え方(投資・労働・年金)まとめ
一般的な年収のサラリーマンがセミリタイアできる年齢って何歳ぐらいだと思いますか?私は45歳でセミリタイアしましたが早くても40歳ぐらいからだと感じます。
セミリタイアのボリュームゾーンは45~50歳、もう少し幅をみても55歳ぐらいまででしょうか。もしセミリタイアを希望しているなら「投資・労働・年金」についてはよく考えておいた方がいいと思います。
私の場合はこんな感じですね。
投資:インデックス投資の4%ルールは有効(相場不調時は注意)
労働:最低限生活費の50%を稼ぐ、できれば労働収入=生活費
年金:受給時期の最低ラインは生活費の50%
運用リターンや年金受給額は不透明な部分がありますがシミュレーションとずれるようなことがあれば適時修正していけば問題ないと考えています。
とりあえず自分の中ではセミリタイア後のお金の考え方(投資・労働・年金)については一定の解を得たと感じています。
コメント
こうしてみると、いわゆるマネー本によくある「1億円で安心老後!」というのは過剰という事が分かります(生活水準にもよりますが、どんだけ贅沢な老後を想定してるんだか)
ある程度の会社員生活を続けてそこそこの年金を確保し、節約とインデックス投資で資産を確保出来れば、高額な退職金がなくてもなんとかなるんですけどね。
我々セミリタイアラーからすれば当然の事でも、一般の人からすれば高いハードルに感じるものなんでしょうね。
ASさん
最近感じるのは一般の人って年間生活費がいくらか把握できていないことが多いんですよね。
だから自分にどれぐらいのお金があればいいのかがわからないと思うんですよね。
生活水準によるという大前提はありますが概ね節約・倹約・投資をバランスよくすればお金に困ることはあまりないと考えています。
一般の人は無造作にお金使いすぎなんじゃないかな。
>一般の人は無造作にお金使いすぎなんじゃないかな
ほんとそう思います。現状を把握してないので、当然計画もない。
本田清六でも読んで、世界株投信(配当再投資型)でもやってれば足りると思います。
そばぐるいさん
意図も簡単にお金を使う割にはお金がないっていう人が多すぎると思うんですよね。
それはお金を使い過ぎてるからとは感じないんだろうな。